推薦!鹿男あをによし
今回、月光堂書店が推薦したい小説は「鹿男あをによし」(万城目学/2007年)。
卑弥呼の時代から続く日本の秘密。
奈良公園の鹿の秘密がわかります。
・鹿から「目の運び番」に任命された「おれ」
・野生的魚顔の女子高生、堀田イト
・考古学に精通している、小治田教頭
「さぁ、神無月だ ー出番だよ、先生」
中年の声で鹿が話してきたある指令、それは古都を舞台にした壮大な物語へと進んで行く。
まさか!女子高生、剣道、鹿・鼠・狐、そして卑弥呼まで…歴史ミステリー!
しかし〜小説を読んでから奈良公園の鹿を見ると、この中に本当に話が出来る鹿が居そうな気がしてきます。
「おれ」と堀田イトの関係も気になるところです。
2008年には玉木宏、綾瀬はるか、多部未華子でフジテレビでドラマ化されてるので要チェックです。
ちなみに、【あをによし】とは「奈良」に係る枕詞で奈良の都を称えるための修辞です。
推薦!太陽の塔
今回、月光堂書店が推薦したい小説は「太陽の塔」(森見登美彦/2003年)。
失恋した時に初めてわかる、心が奪われるほど、研究をしたくなるぐらい好きだということ。
・本作の語り手、ほぼストーカーな私
・太陽の塔をこよなく愛してる、水尾さん
・物語のキーマン、飾磨大輝
・私と不毛な対立する、遠藤正
「私」と「水尾さん」とのこと。
四条河原町ええじゃないか騒動…最初からクライマックスまで一気読みしてしまう文句なしの快作です。
私と悪友達との交流、遠藤との不毛な戦い、
水尾さんとの愉快な毎日が本当に愛おしい。
クライマックスの「四条河原町のええじゃないか騒動」は文の中にある「ええじゃないか騒動」が実際にその場にいるようで面白い。
文庫本の226頁〜227頁の「私は色々なことを思い出す。…」は、最高に好きな文章なのは間違いない。
琵琶湖疏水記念館を訪れてみたいし、下鴨神社の納涼古本市に夢中になってみたいし、夜ごと太陽の塔の夢を見てみたい。
森見登美彦のデビュー作で、この後に続く作品ですが同じような世界観があるので是非、一番始めに読んでいただきたいです。
推薦!ぼくは明日、昨日のきみとデートする
今回、月光堂書店が推薦したい小説は「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(七月隆文/2004年)。
一目惚れから始まる京都の大学生の恋物語、
しかし、真実を知った時、それは悲しくもお互いを思う愛に満ちた物語になる。
登場人物の思いや感情が出ていて気持ちが締め付けられてしまう。
・内気な美術大学生、南山高寿
・秘密を持つ、福寿愛美
恋愛小説であり、もう一つの要素を持つ本作。
二人が初めて会った時、福寿愛美は涙をこぼすのだけど、その涙の意味を知った時、このタイトルの意味が理解出来て、愛しくも悲しい物語の世界に入ってしまうでしょう。
こんな恋愛小説は読んだことがない!
時間という悲しいさと大切さを感じさせる小説です。
2016年には映画になりました。
二人の表情、気持ち、もの凄く良いです。
京都が舞台というわけで、鴨川や伏見稲荷大社など京都の名所が出てきます。
小説•映画の舞台を散策してみるのも良いですね。
まだ読んでない方、観ていない方、小説から読むか、映画から観るか…どちらからあなた次第です。
推薦!すべてがFになる
今回、月光堂書店が推薦したい小説は「すべてがFになる」(森博嗣/1996年)。
妃真加島(ひかまじま)の真賀田研究所で起こる不可思議な事件。
登場人物の魅力があって良いです。
・優秀な研究者が集まる真賀田研究所
・最高の天才、真賀田四季
・情熱な大学生、西之園萌絵
物語の世界は1994年の夏という設定ですが、物語の中でのインターネットの可能性や現実的なプログラムの知識が凄いので全然古くないです。仮想現実など今に繋がっている、ゲームとインターネットの融合がすでに小説の中に出てくるので面白いです。
ネタバレになってしまうので、深くは言えませんが、事件のトリックは他に類を見ないものですが、真相はしっかりと初めの方にあるので、わかる人は早い段階でトリックを見抜いてしまうと思います。
こういう所も読んでいて楽しいですね。
西之園萌絵と犀川創平の関係など、凄い良いです。「すべてがFになる」がシリーズ1作目なので、この後にいろいろと事件に続きますの是非、初めに読んでおくと良いです。
ちなみ、原作とは少し違いますが、2014年には西之園萌絵を武井咲、犀川創平を綾野剛でドラマ化しているので是非、要チェックです。
月光堂書店の推薦小説はじめました。
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